かつを その1(7停止目)

 

「うひっ、うひっ、フヒヒヒww」
俺はその時明らかに浮かれていた。
それというのもこの日、時間を止める(30秒だけ)という能力を手に入れたからである。
学校からの帰り道で実際に確かめてみたところ、この能力は本物だった。
「まさかこんな超能力が使えるようになるなんて。夢みたい、アハッ♪」
まあこんな凄い能力を思春期の高校生が手に入れたのだから浮かれるのも仕方ない。
学校の帰りにたまたまジジィを助けてやっただけ。
たまたま助けただけでこれだけの能力を
ジジィから貰えることができたんだからツいてる。本当にツいてる。
この時はそう思っていた。

早速この能力の使い道を考えたいところだったが、大学入試を控えた俺には
まずやることがあった。
気持ち悪いほどニヤつきながら俺は早稲田の過去問集を広げた。

「ふう..」
とりあえず一段落済ませた。
俺は、いったん集中して考え出すと他のことに頭がいくことが無い
そんな感じの男だ。
時計を見ると11時を少し過ぎた辺り、俺はベッドに横たわり
能力の使い道について考えてみた。
まあ、いくら勉強ができても頭が良くてもやっぱり高校生、出てくるアイデアは
猛烈に異性を意識したものばかりだった。

う〜ん、やはり初体験は俺のお気に入りの飛鳥ちゃんで済ますべきかな?
いや、クラスのアイドル沙織ちゃんで済ますのもいいぞ〜♪
...アケミも候補だな。あのクソ女いつも俺を軽蔑した目で見やがる。
どうせツンデレなんだろ、アケミさんよー!

考えれば考える程、頭の中でアケミが大きくなってくる。
とういう訳でこの能力の初体験の相手はアケミに決定した。
次に何をするかだが、これは難なく「チンコビンタ」に決まった。
とりあえず初体験は軽いので済まそうという魂胆だ。
時計を見るともう12時前で、俺は思い出したかのように風呂に入った。
もう夜も遅く、風呂で洗ってない臭く汚いチンコで
殴ってやろうという発想は出てこなかった。

次の日の朝、目覚めは最高だった。
小学校の時の遠足以来の寝起きの良さだ。
そんなことを考えながら洗面所で顔を洗って鏡を見ると
今までにないほど、肌がツヤツヤだった。
また、信じられないほどの快便で宿便残尿など全くない状態。
俺はベランダへ出て、輝く朝日を浴びながら歯を磨く。
いつもより早めの朝食を済ませ、服を着替え家を出た。
普段よりも30分は早いだろうか、体がウズウズして止まらない。
いつもより速いペースで駅まで歩き、いや競歩といった方が正しいかもしれない、
駅に着くと改札の駅員に朝の挨拶をする。これも今までに無いことだ。
電車の中では女性を見るたびに能力を使いたい衝動を抑え、
ニヤけてくる顔を抑えるのに必死だった。
電車が目的の駅に着くと、跳ねるように駅から飛び出し
競歩といえる速さで学校に向かった。
校門に着くと上履きに履き替え、教室までの最短コースを
できるだけインをキープしながら突き進んだ。

俺の教室3-Bがもうすぐそこだ。
期待と緊張で興奮のボルテージはまさに爆発寸前、
奇声を張り上げたいという衝動が突き上げてくるが
そこは長年養った理性で押さえ込む。

教室に入ると半分以上の生徒がもう席に着いていた。
8時15分、授業開始まであと15分あるが、受験が近いからか
教室にいる生徒の大半は黙々と机に向かっている。
その中に飛鳥ちゃんの姿を見つけた。
口数は少なく、おとなしいが決して暗い訳ではない
それでいて時折見せる子供っぽさ。
そんな清楚な娘が俺の脳内ではあんなことや、
こんなことまでしちゃうド淫乱な娘なんだから
信じられないよフフフ
などとキモイ妄想に浸りながら、窓際最後尾の俺の席に着いた。

しかし、こうして不思議な能力をもっていると、心なしか
なんでもできそうな気分になってくる。
いままでの臆病な態度が嘘のように晴れ晴れとした気分だ。
ずっとこんな感じだったら、もっと友達を作れたし
彼女もできたかもしれないなあ、と、しんみりしつつ
教室に入ってくる生徒達を見ていた。

授業まであと5分、この時間になると残りの生徒達が
ゾロゾロと学校に着き始める。
沙織ちゃんも入ってきた、やはり可愛い。
「おはよー」
と交わす言葉を聞くだけで、勃起するのは俺だけじゃないはずだ。
沙織ちゃんをかわいがる日が待ち遠しいぜ。フヒヒww
だが一向に今日のメインディッシュ、アケミがやってくる気配が無い。

ふいにガラっと扉が開いた。アケミがやっと来たのか?俺の視線が扉に向く。
しかし俺の期待とは裏腹に、出てきたのは
四天王(ブスの)とよばれる女共だった。
゛ブスはたかる゛この言葉は小中高12年間で見つけた真理です。

結局アケミは授業に遅刻してやってきた。
クラス中の視線がアケミに集まる。アケミが俺の隣の席に座った。
ここまでくると、さすがに感情の歯止めが利かなくなり、
ただ、ニヤけてくる顔を隠すことしかできなかった。
授業を受けるどころではない。
胸は高鳴り、冬なのにも関わらず汗まみれになり
かいたことも無いような場所にも汗をかく。
俺にとってそれは初めてのトキメキであり、胸キュンだった。

1時間目が終わり俺は慌てて教室から出た。
新鮮で冷たい空気で頭を冷やしたかったのだ。
落ち着いたら体も冷えてきたので、チンコをズボンから
出し入れする練習をしておいた。

キーンコーンカーンコーン
ついに昼休み、決行の時がきた。
アケミはこちらを冷たい目で見ている。
まあ、恐らく俺が気持ち悪いぐらいニヤけてるからだろうが、
そんな視線ですらその時の俺にとっては快楽となっていた。
アケミは俺から離れてとなりの女子と机をくっつけて、
弁当を取り出した。
「ヒソヒソ..ねえねえ、あいつチョーキモくない?ずっとこっち見てニヤニヤしてるよ」
「ヒソヒソ..うん、なんか私が学校に来た時からずっとニヤニヤしてるのよ。
 マジヤバイんですけど」
はっきり言ってその時の俺は貶されれば貶されるほど感じていた。
俺の息子もいい具合に温まってきていたし、俺は作戦を決行に移す。

時間が止まる

俺はあっという間にチンコを取り出す。
もうすでにこの時点で気持ちいいのだが、これで
アケミの頬を打つ、打つ、打つ。ペシペシペシ
「うっひょーーーーー!気持ちいいぃーーー!
 体も心も満たされていくぅうーーーー!!グフフフwww」
ペシペシペシ
恍惚の表情を表しながら、ただただ欲望に任せて腰を振る。
俺はいつもアケミに虐げられていたのに、こうして
アケミの頬をチンコで打っている、まさに夢見心地だった。
童貞敏感早漏の俺にとってはこれだけでも
相当な快感と充足感、幸福感であった。
そうまさに夢見心地...夢?

残り10秒

ペシペシペシ..
夢..なのか?おいおいしっかりしろ早稲田受験生!キモチイイ
理論的に考えろ科学的に考えろ集中してよく考えろ俺!アッアッ
そもそも時間が止まるなんて夢物語以外の何ものでもないじゃないか!ンン!
そもそもまず有り得ないぞ!フゥフゥ
夢か?!アン 夢なのか?!オゥイクッ そうかこれは夢かあああぁぁぁアッ..アッ..アッ----!....ッ!
......

30秒経過

「........................」

これは確実に現実なのだが、今までの経緯、目の前の惨状
射精後の虚無感に包まれ俺の思考は全く停止した

「........................ヤッチャッタ」

「..................夢よ覚めろ♪」












人生オワタ\(^o^)/

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