語り人(45停止目)

 

俺は勇治。大学2年の18歳。実家を離れ独り暮らしをしている。
俺には不思議な力がある。
それは30秒間だけ時間を止めることが出来ることだ。
この力はある日突然使えるようになった。
そして、その力を発動させる方法も何故か知っていた。
そう、まるで「ハ○ヒ」にでてくるクール(?)な超能力者のように。

しかし、俺はその力を使ったことが無い。
使い道が思いつかなかったからだ。
30秒で何が出来る?カップラーメンも出来上がらないほどの短い時間だ。
万引き?そんな度胸もないし、万引きしてまで欲しいものなんて無い。
想像力が乏しい俺には、こんな能力に価値を見出すことが出来なかった。


彼女が出来るまでは……


今まで女子から告白されたこともバレンタインの義理チョコを貰ったことも無い俺。
そんな俺にも大学に入って彼女が出来た。
きっかけは特別語るほどのことも無い。
合コンで知り合ったわけでも、バイト先で知り合ったわけでもない。
ただなんとなく、、、いつも隣の席で講義を受けているうちに親しくなった。
ありがちな恋愛だ。


しばらく付き合っていうちに彼女は僕の家にも泊まりに来るようになった。
一緒のベッドで寝ることもあった。
でも、僕は童貞。彼女も経験が無いらく、一緒のベッドに入っても手を繋いで寝るだけだ。
俺も男だ、、、したいことはある。
けれども、どういう風にすればいいか分からなかったし、彼女も、、、多分そうだ。

そんな時が何回か過ぎたある日、僕はあの力を決心した。

今日も一緒にベッドに入って手を繋いだ……
俺は緊張していた。
そして念じた……

時は止まった。
俺は、彼女を抱き寄せ、握っていた彼女の手を自分の股間にあてがった。
俺の股間は破裂しそうになっていた。。。
そして、、、その状態のまま時間は動き出した。

彼女はひどく慌てたが、しばらくして僕に体を寄せてきた。
僕らの初体験は、こうして始まったんだ…

−終り−

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