エロじゃないが(2停止目)

 

喪 は、ひきこもりニートである。「あ〜イイ事ないかな」それが喪の口癖だ。
そんな言葉を繰り返しながら2chをやる日々を過ごしてた。
そんなある日、喪はあるスレを発見した。(もし30秒時間を止めれたら…‥か)読んでいくうちに喪のエロスな妄想は膨らんでいった
「せめて、こんな力があったらなぁー!!」そう呟きながら喪は大きく屁を放った。
ボン!!!ぼぼぼー!
「なんだ!!?」
大きい屁と共に煙が立ちこめた。しだいに薄れていく煙の中で幼い美少女が現われた。いや、実際には幼女じゃないのだが妄想と股間が膨らんでいる喪には、そう見えた…というか、思い込もうと必死である。
「なんだお前!?」

幼女は言った。
「アンタの願い叶えてあげるわ。あっ!…勘違いしないでよ!別にアンタの為じゃないからね!!!!ただの暇つぶだからね!!!」
ちなみに喪の中では、どんな言葉もツンデレに脳内変換できるのだ。
「はぁ?それ何て(ry」
   パシっ!!!
ツンデレからビンタを食らった。「もう!!知らないんだからね!!!プンプン」
「ゴメン。でもいきなり言われても信用できないし」
しかし喪はエロゲで鍛え抜かれた精神力によって、こんな非現実的な状況でも割りと冷静であった。むしろ、時を止めたら何をしようか考えていた。
「仕方ないわね。なら、試してみなさいよ。強く願えば止まるわよ」
ありきたりのパターンだな‥と考えながらもツンデレのビンタが恐いので強く願う事にした。
(‥可愛い妹が……)
「…ぶつわよ。」
「じょっ冗談だよ!!」
(チッ…‥時間が止まったらツンデレのパンツ見てやる。)
そう思った瞬間、再びツンデレからビンタが飛んできそうになった。
「うわぁぁ!!止まれ止まれ止まれー!!!」

  パーン!!
喪はツンデレからビンタをくらった。涙ぐみながら喪は言った。「嘘つき。止まらないじゃないか。」
「馬鹿ね。私まで止まるわけないじゃないの!!周りを見なさいよ」
言葉通り窓から周りを見ると、予想どおりに時は止まっていた。
確かに世の中の何一つ動いていなかった。喪とツンデレを除いては…
(ウヒヒヒ…これで痴漢‥)
   パーン!!
「鼻の下が伸びてるわよ!どーせエッチな妄想してたんでしょ」
「嫉妬かよ!カワイイな」
「なっ!!?何言ってるのよ!!!」
「顔赤いよ」
  パン!パーン!!
「ぶつわよ!!」
(……ぶってるじゃん)
「一日一回、一週間この力を与えるわ。たまには世の中の役に立ちなさいよ」
そう言うとツンデレは消えていった
「やっと消えたか!!妄想しまくり!」喪は腫れた頬を擦りながら解放感に浸っていた。
「あら、残念でした。いつでも現われるわよ」
消えたと思ったツンデレは、いつの間にか部屋でくつろいでいた。(チッ…うかつに使えないな)
喪は考えた。「…‥30秒か‥十分だな」
喪のやりたい事は決まっていた。
現在午前9時。正午に喪はこの力を使うことに決めた。そう、ある事をする為に…

(正午まで‥あと5分か‥)喪はソワソワしていた。
「アンタ何しようとしてるの?どーせ変な事なんでしょ?」ツンデレはポテチを食べながら冷たい視線を投げ付ける。
(俺のオヤツ…‥)
そんな時に正午の音楽が流れた。
(…今だ。止まれ!)
そして急いでドアを開けた。そこには止まった母親が立っていた。喪に昼食を運んできたのだろう、手にオニギリを持って。
「母ちゃん、ごめんな。俺、ずっと謝りたかった。ちゃんと、立ち直って親孝行するから」
喪はヒキコモリ。長年、母親の顔をジックリみる事がなかった。会話すら、ろくにしていない。そんな喪をズット優しく見守ってくれた母。
久々に見る母は年老いていた。しかし優しい眼差しは変わっていなかった。
30秒が立つ前に喪は部屋に戻った。(…こんな形でゴメンな母ちゃん)
30秒が立ちドアの前に昼食が置かれる音がした。
「期待してるわよ、喪。早く親孝行してね」
(!!!??)
「おい!ツンデレ!時は止まったんじゃないのか!?」止まった時間内に言ったはずである。
「あら、私言ったわよ。1日1回って。アンタ私のビンタ避けようと使ったじゃない」
ツンデレはニヤニヤし、オニギリを噛りながら、そう言った。
(…‥俺の昼食)
「……‥さて、出かけるか」
「あら?何処に行くのよ?」
「もちろん仕事探しに行くんだよ!」
「ふーん。お土産よろしく!……‥…ガンバッテネ、イッテラッシャイ‥」
「ん?最後聞き取れなかったんだけど。もう1回いってくんない?」
「なっ!!なんでもないわよ!!もう1度聞く暇があるなら早く仕事探して親孝行しなさいよ!!ばかっ!」
  ―――糸冬了―――

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