971(1停止目)

 

朝の通勤ラッシュほど嫌なものはない。
しかし、この力を手に入れた俺にとって、混雑した車内は天国に変わる。
時間を止める力。ただし、30秒間という限定付きではあるが。
今日も俺はホームで獲物を物色する。一人の女子高生が目に止まった。
今時珍しい、清楚な感じの娘。遠めからだが顔はモロに俺の好みだ。
よし、あの娘にしよう。女子高生の並ぶ列に俺も並んだ。
電車がホームに入ってくる。電車のドアが開き、人が大勢降りてくる。
降りる人の流れが止まる。ここからが勝負だ。
どうにかして獲物の後ろか横に付かなければならない。
混み合った車内で離されては、容易に近付けなくなる。
電車に乗る人の列が電車に吸い込まれて行く。
俺もそのまま電車に乗り込んだ。
女子高生は座席の前に立って本を読んでいる。
俺はうまい具合に女子高生の横を確保できた。
発車のアナウンス。電車のドアが閉まり、走り出した。
ではいってみよう。イッツアショータイム!
俺は力を使って時を止める。
まず、女子高生の前に座って寝ているおっさんの足の上に座った。
少し身をかがめるとちょうど腰の部分が目の前にくる。
俺は左手で女子高生のスカートをめくった。清純そうな顔によく似合う、純白のパンティが現れる。
すべすべの太ももに手を這わせながら、俺は顔をパンティに近付ける。
香しい、清潔なにおいが何ともいい感じに鼻をつく。
パンティの上から舌でアソコを舐め回す。
パンティが俺の唾液でベタベタになるが、どうせバレやしないのだから気にしない。
そろそろヤバイ。俺は体を起こして元の位置に立つ。
時が動き出す。俺は横目に女子高生を見る。
女子高生は自分の股間に違和感を感じたのか、足をモゾモゾさせている。
何が起きたのか不思議がっているような表情。それがまたエロカワイイ。
こうした終わった後の女の反応を見るのも、また俺の楽しみだ。
駅に到着する。一仕事終えれば、混雑した電車に用はない。とっとと降りよう。
さて、明日はどんな獲物がかかるかな。

今日も俺は人が混み合う朝の駅にやって来た。
目的は決まってる。痴漢だ。
ただ、俺は普通の痴漢とは違う。俺には特別な力がある。
時を止める能力。それが、神が俺に与えてくださった力だ。
30秒間というリミットがなければもっと感謝したのだが、それは欲張りというものだろう。
欲をかきすぎる人間は必ず失敗する。俺の爺さんがよく語っていた人生訓だ。
それを守っているわけじゃないが、限られた時間で欲をかくのは危険だとは理解している。
さて、今日の獲物はどいつにするか。俺は周りを見回す。
いきなり脇腹に痛みが走った。痛む方に顔を向ける。
鞄を手から提げたスーツの女。年齢は二十代半ばくらいか?
眼鏡の奥に見える細長の目がとても理知的だ。それになかなかの美人。
脇腹の痛みはきっとこの女の鞄がぶつかったからだろう。
女はそれに気付いてないようだ。
「チッ、痛えな」
俺は女に謝罪を促す。
女は俺をチラッと見たが、すぐにプイッと顔をそらした。
俺は謝らない女の態度にむかっ腹が立った。
今日の獲物はこいつにしよう。素晴らしく恥ずかしい思いをさせてやる。
俺たちはやって来た電車に乗った。
女は電車の隅に立った。俺はその横に立つ。
電車が走り出した。
俺は時間を止める。
女の方に向き直り、俺は女の着ているシャツに手をかけた。
左右に力一杯引っ張る。ボタンがはじけ飛び、女の紫色のブラジャーがあらわになった。
ブラジャーをたくしあげ胸を露出させる。揉みしだいてやりたいがそんな時間はなさそうだ。
続いてスーツスカートのホックに手を延ばす。それも思いきり引っ張るとちぎれた。
残り10秒ほど。後は離れて高みの見物だ。
俺は人を押し退けその場を離れる。
タイムアウト。
車内に女の叫び声が響く。
女は左手でスーツを押さえながら右手でスカートを支えている。
場所が場所ならかなり挑発的なポーズだ。
叫んだことで注目を集めてしまったためか、顔は真っ赤だ。
俺の横にいたサラリーマンが密かに携帯で写真を撮っている。
俺は笑いを堪えるので精一杯だ。
駅に着く。女はそそくさと降りていった。俺もホームに降り立つ。
あの女、もうこの電車は利用できないだろう。ざまあみろ!
俺は清々しい思いでホームを後にした。

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