880(43停止目)

 

「かくれんぼをしよう」誰かが言った。「賛成。鬼は喪君ね。」誰かが決めた。「1.2.3.・・・30」僕が数えた。
ふと、まわりを見たら誰もいない。何時間と探すが誰もいないのだ「おーい誰か―。誰か―。」
声は虚しく響く。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、叫ぶ。
その声はやけに響き、跳ね返る。
そして自分の耳へと響くその声はまるで別人のように聞こえるのだ。
その時、風が走った。誰かが横切ったのだ。
後ろを見る。誰もいない。
また風が走る。何人も横切った。
周りを見渡す。誰もいない。
気のせいか―。
また風が走る。誰かが横切っている。
誰だ。
後ろを見る。後ろには僕の友達がいた。
やけに遠くにいる。
誰も僕のことを気にせずに楽しく話している。
僕は見る。誰も気にもとめない。更に見る。誰も気づかない。見る。
彼らは帰っていく。
僕は、僕はどうなる。
ぽつん。ぽつん。ぽつん。

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