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「もうネタも朽ちかけて、容量の無駄遣いでしかないdat落ち寸前のスレに巣食う寄生虫のような貴方に朗報〜♪」

そんな酷く不穏当で不躾な言葉遣いで現れた美幼女を無視して、俺は『もし時』スレにいつもの保守を書き込んだ。
……保守、と。

「あれれ〜? 無視ですか? シカトですか? スルーですか? アウトオブ眼中ですか〜?」

美幼女は微妙に時代遅れな言語を好むようだ。
しかし……俺も末期だ。

いや、こんなスレにいつまでも未練がましくしがみついている時点で末期なのは知っていたのだが――
幼女の幻を見るようになったらお仕舞いだ。

「ちょっと〜? ひとりでブツブツ言ってないで、こっちを認識してください〜。
 幻なんかじゃなくて、ホンモノですよ〜?」

ああ、さようならもし時。
幻覚が見え始めた俺の行く先などそう多くはない。
まもなく性犯罪に手を染め留置所とか病院とかで余生を過ごす羽目になること必至。
手始めに俺は――幻覚との会話を試みることにした。

「……で、朗報って、なんだ?」

と。

「そうですーぅ。ろーうほーうで〜ッす!」

うわ、無茶苦茶ムカつくテンション。
我が妄想ならではの同属嫌悪というヤツだろうか?
で、それはナニよ? と問うてみる。

「あっはっは、おに〜さん。
 このスレ見てたらそりゃわかるじゃないですか」

おに〜さん、などと俺を呼んでくれるマイ妄想。
妄想なのだから自分に都合よいキャラなのは当然然るべきなのだが、
おっさん目前の俺。お兄さんなどと呼ばれて悪い気はしない。

「あ、言い忘れましたけど、『お兄さん』呼称はリップサービスです。
 本心ではないのでご安心を」

うん。そうだと思った。だって俺の妄想だもん。
さて、それはおいとくとして、結局朗報とはなに?

「ずっばーり! 時間を30秒止めることが出来る能力プレッゼーンツ!」

ほほう。
末期のスレらしく、なんの捻りもなく直球で来ましたね。
俺は寝ることにした。

「ああー、寝ないで、寝ないでー」

そもそも即興で話の筋も考えずに文に起すこと自体間違いなのだ。
これから先どうなるのか自分でもわからない。
仕方なく起きてやるが。

「ふみー。よかったー」

ほら、こいつもキャラ固まってねぇし。
で、時間を止める能力ッつっても、このスレのパターンだと30秒以外にも制限があったり、
必ずヒドい目に遭うこと前提だったりするわけだが、その辺どうなのよ?

「あ、それはご安心を〜。
 ちょっと発動に制限があるだけで、あとは無制限です〜」

発動に制限がある時点で無制限じゃねぇだろバーカ!

「ばばっばばっば……ばかっていう人がばかなんですーッ!」

じゃあやっぱりお前もバカじゃねぇか。
当然俺もバカ。

ああ、もう飽きた。

「で、制限って?」

「それはですね・・・フッフッフッフフフフフフフフ・・・

それはですね・・・。」

無理やり突入したらどうなるだろうか
まぁ試しに突貫てことだな

「早く教えないと寝るぞ。」

てか普通の連載もそろそろ復活させるかなぁ
新しいのも考えてたけどなんか先が思いつかない

「あわわ待ってくださいよぅ」

頑張って続けてくれw

なぁ、もう辞めていい?

「だめ。だめですよ〜。一度書き始めたらとりあえずはオチつけとかないと!」

オチつってもなぁ……

1:夢オチ
2:爆破オチ
3:数年後オチ

どれがいいよ?

「この話自体がもうすでに妄想ですから夢オチみたいなもんですしねー」

そうだな。
じゃあ爆破しとくか。

「なにを?」

お前を。

「な、ななななななッ! ちょっ……やめてくださいよホント」

いいじゃん。
もう俺に文才ないのはわかったろ。
どんなにヒドいオチでも誰も文句いわねぇよ。

「そ、そうじゃなくて! 生身爆破はぐろいですから!
 RとかXの指定が付いちゃいますよぅ!」

そうだな。それはヤバい。
このスレにはきっと俺と違って将来有望な十代だっているはずなんだ。

「じゃあ、残るは数年後オチだけですね」

具体的には何年後がいいかな?

「2年後くらいでいいんじゃないですか?」

そうだな。
じゃあ2年後まで、時間止めるわ。

あでゅー。

こうして荒らしは去った。

そしてまた一歩、もし時スレ終焉に近付いたのだった。


                       〜完〜

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