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「ふぅ、最悪だな。」
ちらかった家に帰った俺はそんなことを口走っていた。
今日は、またバイトの面接に落ちてしまった。
貯金もそろそろヤバイ。こんなことで俺はこれから大丈夫なのだろうか・・・・・・。
そして、その思考を全て打ち切り俺は寝ることにした。
すると隣から、CDの音が聞こえてくる。
このクソ暑い日だ。確かに窓を開けるから、音が筒抜けなんだろうな。
そんなつまらないことを考え、寝てしまおうと頑張るが
この暑さだ。なかなか寝付けない。

隣から今度は、あえぎ声らしきものが聞こえてくる。
俺は、心が昂ぶった。
こんな最悪な俺の横で、なんだこれは?
本気で殺してやりたい。
俺は前、通販で買ったなんでも高等な黒魔術が練りこまれているとかいう
ペンダントを取り出し、「隣の住人よ、死ね」と心で叫んだ。

すると窓から激しい風が入ってくる。
これ本物なのか・・・・・・?と半信半疑、コインの表裏で購入を決意した
ペンダントが怪しく光り始める。
するとペンダントに文字が現れだす
"30秒やろう。三十秒、時間を止める 好きに使え。"
俺はまだ半信半疑だったが、今の状況をみて面白そうなので
ペンダントの言うことを聞いてみることにした
今度はペンダントの表示が変わり"30"と出てくる
俺は急いで隣の部屋に駆け出した。
幸いなことに鍵は開いていて、二人は行為の最中で止まっていた。
俺はとりあえず、男の頭を殴り。次に面白いことはないかと考えた
俺はこのときあることを思いつく。
隣人の冷蔵庫から牛乳を取り出し女のあそこの部分に少し注ぐ
ペンダントを見ると"11"となっていたので急いで家に戻った。
そして、今度は壁に耳を当てて隣の様子を伺う体勢を取る
激しい風がまた入ってくるペンダントの表示は0になっていた
時が動き始める。
女が何か異物感でもあるのだろうか、いきなりあえぐのをやめる
男はイタッと言った後 不思議に思ったのかどうした?とたずねる
女は自分のあそこを見たのだろう
「え?うそ?あんた今日、危険日なの分かってんの?」
「いやいや、着けてるじゃん」
しかし男も下半身を見て気付いたのか
「いやいや、おかしいだろ」
「もういや、出てって。」
女は男をそのまま外にはじき出した。
俺は少しほくそ笑み
一つのカップルの破綻を耳で聞きながら眠りにつこうとする。

しかし、ここで夢は終わり 目覚めた。
周りはかなり明るくて昼だとわかる
「ふぅ、最悪だ。」

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